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初めての給与明細に愕然!?経験も収入も大切に、独自のキャリア選択へ!

コラム
2023.04.10

今回は、病院勤務と薬局勤務をご経験され、また災害派遣のご経験をお持ちのOさんにインタビューさせていただきます!
まずはOさんの自己紹介・略歴です。

自己紹介と略歴は下記です。
【自己紹介】
30 代の病院薬剤師。1児の父。JPALS6。 日本アカデミック・ディテーリング認定薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師、研修認定薬剤師 所属学会:日本腎臓病薬物療法学会、日本アカデミック・ディテーリング研究会、日本薬剤師会、日本病 院薬剤師会
 【略歴】
卒後病院薬剤師として勤務。 →友人の誘いで保険調剤薬局へ転職し 5 年程勤務。 →興味のある診療科のある別の門前薬局へ転職し 2 年間勤務。 →最初に入職した病院へ再就職し今に至る。

 1 回目の転職はどんなきっかけがありましたか?

 1 回目の転職のきっかけは収入面です。
病院薬剤師の年収は低く、調剤薬局勤務の友人の収入と比較するとかなりの差がありました。地方の調剤薬局のためその差は余計に感じられました。初めから収入の 低さは分かっていたつもりでしたが、まずは病院で経験を積みたいという想いもあり、収入については 生活できるレベルがあればいいかと安易に考え病院に就職しました。
お金のことについて学んでこなかった自分が悪いのですが、給与明細を見て愕然とした事を覚えています。当時、所得税や住民税、健康保 険料や厚生年金保険料について全くの無知であり、天引きされる金額に驚きました。生活費、奨学金の返済も含めると手元に残るお金はほぼ無く、貯金なんて考える余裕はありませんでした。
経済的な焦りがあり、仕事中もそのことばかり気になり集中できませんでした。そんなときに調剤薬局勤務の友人に悩みを相談したことがきっかけで、その友人の勤務する調剤薬局で一緒に働かないかと誘いを受け転職することになりました。
その後興味のあった透析科のある病院の門前薬局へ転職し、ある程度資金に余力が出てきたところで病院に再就職しました。

初めての就職で、「保険料や税金がこんなにひかれるのか」と驚いた経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。それからタイミングやご縁もあり、ご転職されたのですね。
薬局では災害派遣もご経験されたとのことですが、どんなご経験でしたか?

最初に勤めた調剤薬局は主に門前の病院や広域の病院からの処方箋を受け付けている、大手ではない地元の調剤薬局でした。 2016 年 4 月、熊本地震がありました。薬剤師会が各地から薬剤師の災害派遣を行っていましたが、私の勤務していた地域にも募集がきました。
薬剤師経験としては 2 年目である自分が役に立つか自信はありませんでしたが、上司からは必ず貴重な経験になるからと応募させて頂き、派遣が決まりました。
実際に現地に行き、テレビからでは絶対に分からなかった被災者の恐怖や不安といった雰囲気を肌で感じました。主な仕事内容は風邪や怪我に対する処方、定期薬のつなぎに対する処方の調剤です。全ての薬の備蓄があるわけではないので、Drと相談しながら代替薬を決定するといった場面が多かったです。緊張感がありながらも同県、他県からの薬剤師と連携を取っていくうちに、いつの間にか以前からの仕事仲間かのような錯覚を覚える程の仲になりました
3日間という短い期間でしたが、当時熊本で共に災害派遣として過ごした仲間とは今でも連絡を取っています。そんな経験ができたのは、フットワークの軽い地元の調剤薬局のお陰でした

病院や薬局、災害派遣のご経験をされてきたOさんですが、今後の目標や目指していることはございますか?

これからの時代の変化に応じて変わるかもしれませんが、僻地の在宅専門のような仕事をしてみたいです。それは調剤薬局勤務で在宅患者に関われた事や、災害派遣にてモバイルファーマシーで仕事ができた事、病院で高カロリー輸液等の注射剤の混注業務をしている事等がきっかけになっているかもしれません。これからDXの進化が一層進み、薬剤師がより柔軟に対応できる環境に変化していく事を望みます。

20代の転職を考える薬剤師にメッセージ をお願いいたします!

若いうちの経験がどれほど重要であるか今はピンと来ないかもしれません。迷ったり悩んだりした時 は年齢を重ねた自分を想像してみた時に、後悔が無い道を選択する事をお勧めします。20代の貴重な時間をどこでどんな仲間と過ごすかはとても重要です。そして経験は勿論、収入も重要です。同じ 100 万円でも 20 代と 60代とではその価値は全く異なります。年齢を重ねてから旅行に行く体力・気力は落ちてきますし、歯が減ると美味しい食事も台無しです。違うと思ったらフットワーク軽く新たな環境を探すのもありだと思います。20 代の皆様には是非、貴重な期間を充実させて悔いなく過ごして頂きたいものです。

今回はOさんにインタビュ−させていただきました!
経験も収入も大切にされながら、その環境でできることに挑戦し、唯一無二のキャリア形成をされていますね。
 
「奨キャリ薬剤師」は若手薬剤師さんのキャリアを応援すべく、様々な背景を持った薬剤師さんにキャリアインタビューを行っています。その他の方の記事もぜひご覧くださいね!
キャリア選択に向けて、素敵なロールモデルとの出会いがありますように・・★