奨学金制度とは?①どんな種類があるのか教えます!
奨学金と聞いて、真っ先に思い当たる奨学金は日本学生支援機構の運営する貸与型の奨学金ではないでしょうか。日本学生支援機構の奨学金は、現在、大学生の2.7人に1人という、多くの学生の方々が利用されている制度になります。
一方、日本学生支援機構以外にも貸与型奨学金は存在します。貸与型奨学金は、全国で約3,200制度、約850億円が毎年運用(日本学生支援機構の調査より)されていて、特に、自治体の運営する奨学金が多いです。また、関西学院大学では、2020年より「関学ヘックス(HECS)型貸与奨学金」という、返済方法を所得に連動させることで返済負荷を抑える新しい制度を開始しました。
今回は日本学生支援機構・自治体・大学の運営する貸与型奨学金について具体例を出しつつ、制度の内容を紹介させて頂きます。
日本学生支援機構には一種と二種の2つの貸与型奨学金が存在します。それぞれの制度は主に以下3つの違いがあります。
それぞれの違いも踏まえて両者の制度を紹介させて頂きます。
日本学生支援機構の第一種は利息は無く、第二種は利息が有ります。また、第二種には「利率固定方式」「利率見直し方式」のどちらを選ぶかによって掛かる利息が変わります。
<日本学生支援機構(第一種・第二種)の利息について>
第二種の利率固定方式は返済終了まで一定の利率が適応され、利率見直し方式はおおよそ5年置きに利率の見直しが行われます。利率見直し方式の現時点の利息は低いものの、利率見直しによって逆転するケースもあり得ます。ただし、いずれの方式でも上限は3%となります。
第一種は無利息である分、貸与可能な金額要件が厳しくなっています。学校の種類(大学/短期大学など)・国公立もしくは私立・自宅通学かどうかによって選べる貸与金額が異なります。また、日本学生支援機構で判断する一定額以上の所得がある場合、最高月額は選べません。
2020年から始まる就学支援制度の給付型奨学金と併用する場合、上記月額からさらに調整されます。
一方、第二種は2万円〜12万円の範囲で1万円単位で受給金額を選ぶことができます。
第一種は、第二種と比べて受給するための学力基準と所得基準が厳しいです。
自治体には約1,100制度以上の種類の奨学金が存在していて、制度の要件も様々です。今回は飛騨市の制度を紹介させてい頂きます。基本的には住民の方のための制度となりますので、お住いの地域の奨学金制度をご確認ください。
<飛騨市の育英基金貸付制度>
自治体の運営する奨学金制度では、利息の無い場合が多いです。また、飛騨市のように大学卒業後に市に戻ってくることで、返済免除特例を設けているケースも少なく有りません。
大学で貸与型奨学金を運営するケースは少ないですが、災害や家計の急変などの緊急事態に対応するための貸付制度を持っている大学は多いです。また、それ以外にも今回紹介する関西学院大学の「HECS奨学金」のような日本学生支援機構の制度のマイナス面を補う制度も始まってきています。
日本学生支援機構の二種を利用する場合、卒業後は毎月固定金額を返済する必要性が出てきます。就職したばかりの時期は手取りの給料は多くないため、返済資金を確保しつつ生活することは大変です。関西学院大学の制度では年収が400万円を超えない間は返済が不要な制度となっているため、余裕を持った返済が出来ます。
<関西学院大学HECS型貸与奨学金>
返済期間に制限がなく、年間所得の3%ずつを返済していくHECS型奨学金は無理なく返済しやすい制度に感じます。
貸与型奨学金に限らず、奨学金には注意点があります。
奨学金が受給できるのは入学後になるため、入学金は一時的に建て替える必要があります。どうしても建て替えが難しい場合は、日本政策金融公庫が運営している「国の教育ローン」などから借り入れをすることが可能です。
貸与型奨学金を利用される場合、返済のことを想定しなければいけません。(返済特例に該当するのであれば別です)
日本学生支援機構の第二種を毎月12万円利用(借入合計576万円)した場合、卒業後は毎月約2万4千円を20年間返済することになります。将来の返済金額を理解する上でも、返済シミュレータ を利用してみてください。