4年目で転職した20代薬局薬剤師です。私は転職活動を通して、自分のキャリアについてしっかり考えることができました。そして、今の職場で今後なりたいキャリアに向かって、経験を積んでいるところです。

転職のきっかけとしては、大きく3つあります。
1つ目は、常に忙しかったことです。入社してからずっと人手不足で、残業が当たり前の状態で仕事をしていました。時には休日出勤もあり、多い時には月に100時間以上の残業をこなしていました。そのため、有給も年間最低ラインの5日のみで、自分の時間があまり取れていませんでした。
2つ目は、仕事場が常にピリピリした雰囲気だったことです。幸いなことに人間関係でのトラブルはなかったのですが、余裕なく働いているためピリピリした雰囲気が流れていました。肉体的な疲労もありましたが、精神的なストレスも大きかったです。
3つ目は、患者と関わる時間があまりとれなかったことです。投薬はミスなく素早く終わらせることだけが重要視され、一方的な説明だけで終わることが多かったです。そのため、患者の不安や悩みに寄り添うことができず、薬剤師として働けているのか疑問をもつようになりました。

大変なことが多かったですが、まずは3年間しっかり働いて一人前として動けるようになったら次のステップへ進もうと考えていました。育休明けの先輩方が戻ってくるタイミングでもあったため、4年目に転職しました。

転職後の変化として、まず残業は多くても月10時間で、有給もしっかりとれるようになりました。自分の時間が増えたため、薬剤師として必要な自己研鑽の時間を仕事終わりにとることができています。次に、仕事量にある程度余裕ができたため、心にゆとりをもって仕事に取り組むことができています。周囲も同様で、穏やかな気持ちで仕事を進められることが多いです。そして、自分の心の余裕と時間の余裕があるので、患者の不安や悩み、疑問に答えられることが増えました。薬剤師としての職能を発揮できる場面が増えて、勉強のモチベーションにも繋がっています。

転職活動中に、会社が求めている人材として「管理者になれる人」がありました。ただ単に「管理薬剤師」という役職に就くというだけでなく、「仕事に対し主体的に考えることができる人」が求められているのだ、と理解しました。例えば、教育ができる、指示が出せる、周りの状況に応じて仕事ができる、会社の利益を考慮できる、などです。要するに、会社に貢献できる人を採用したいと考えているのです。現段階では再度転職活動をするつもりはありませんが、私は自分の市場価値を高める意味で、どのようにしたら薬局の顧客を増やし、利益につなげられるかを考えながら仕事をしています。

働く場所はそこだけではありません。転職は、今の自分と未来の自分が納得して仕事をするために必要な１つの手段だと思います。私は1日の活動時間の半分をしめる仕事だからこそ、自分が納得できる職場で働きたいと思い、転職しました。
まずは、自分がどういった職場でどのように働きたいのかを考えてみてください。自分の中である程度軸が決まってきたら、エージェントの方に相談してみましょう。もし自分の中の優先度が高い軸に当てはまる求人があればラッキーです。全部が希望条件に当てはまっていなくても、納得して仕事ができる可能性はあります。
大変な時間と労力がかかるかもしれませんが、未来の自分のために一歩踏み出してみてください。